「レイトショー」
地味で冗長な映画が照らす
土曜日の夜の裏側を
まだらな空席を
突き付けられたい大人たちを
その浅はかな魂胆を
一本目 死体
友人が濡れたズボンを拭いている
二本目 死体
まどろみが少しずつ混ざる
三本目 多くの死体
無音のエンドロール
過剰な暖房
退館
朝と呼ぶにはまだ深い藍